平成10年の頃


主人は平成8年の 秋ごろ 風邪を引き、それが なかなか治らなく、随分

こじらせてから 近くの 開業医を受診しました。 風邪ではなく 

肝硬変と 診断されました。 それも 進んで肝臓に がんが出来ていました。

10年前は 結核で やっと 治ったと思ったら 今度は肝臓がんです。


結核でも 乗りこえてきたので 今度も 何とかなるだろうと 楽観的に考えています

10年間で私達家族は 強くなっていました。何があっても 平気です。

自動車部品工場は 順調に20年近く 続いています。 働いている人も、

離職することなく まとまっています。小さな工場ですけれど信頼関係で

結ばれていました。 けれども  平成10年 12月、主人は 自宅で、静脈瘤破裂し

大量喀血して救急車で、病院に 担ぎこまれました。


主人が 緊急入院しても 仕事は いつも通りに 流れていきます。 とある

自動車系列ですので、 「カンバン方式」という やり方で 動いて います。

お正月が過ぎると 病院から 完全看護ではあるけれど 夜も 付き添ってほしい

と 言われ、 私は 昼は 工場で働き 夜は 病院で 主人に 付き添うという

生活になりました。寝る時間はない という事です。


カンバン方式は 在庫を持たない主義なので 主人が 入院したぐらいでは 流れを

止めることは できないです。主人もそこは心得ていて 仕事の 妨げにならない様

亡くなる曜日までも 考えていたようです。

   月曜日  主人:今日は何曜日だ?  昼間居た人:今日は月曜日ですよ
   火曜日  主人:今日は何曜日だー? 主人の姉 :今日は火曜日だよ
   水曜日  主人:今日は何曜−    長女   :お父さん今日は水曜日だよ

昼間の付き添いは 娘や身内の誰かが みてくれていました。そうしたら いつもいつも

「今日は何曜日だ?」と聞いていたそうです。

   木曜日  主人:あと すこし……  次女   :お父さん木曜日になったよ
   金曜日  主人:………       この日も次女 おとうさーん返事してー


金曜日の午後に 意識がなくなり、  そして 午後8時に 亡くなりました。

月曜日から金曜日まで 製品を納めなければなりません。なので 金曜日の午後に

亡くなり、土曜日に通夜、 日曜日に葬儀を済ませれば、月曜日から通常通り稼働

出来るという事です。そうしてほしいという主人からの メッセージなのです。

で そうしました。どうやってやったのか 何も思い出せません。本当に皆様に

助けて頂いて 出来たことです。

   主人 享年 52歳。   私 50歳の冬でした。





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